林研究室
研究紹介
荷重による膝関節軟骨の接触状態変化の分析

キーワード:膝関節軟骨,変形性膝関節症,MR画像,下肢アライメント

 膝関節には関節軟骨という組織が存在する.この組織は、大腿骨と脛骨の関節表面に存在する弾力性に優れた組織で、骨同士の衝撃を吸収する役割を担っている。加齢や肥満によって関節軟骨が摩耗・変形すると,変形性膝関節症などの疾患を引き起こすと考えれている.しかし,この変形性膝関節症の発症および進行メカニズムの詳細は未だ解明されていない.臨床では,膝への荷重のかかり方が関節軟骨の磨耗・変形に影響を与えると考えられており,これらの関係解明が求められている.本研究室では,その解明を目的として,膝関節軟骨の接触状態分析を行ってきた.昨年度は,膝関節中央部のMR画像を用いて,関節軟骨間の近接関係の評価を試みた.本研究室において従来から開発してきた軟骨抽出法を応用し,関節軟骨の3次元モデル間の対合距離を用いて分析を行った.その結果,荷重によって関節面の近接関係は変化することが示唆された.今後は,健常者と変形性膝関節症患者を比較し,疾患の進行メカニズムを推測することが目標である.

(文責:金田拓也)



     

膝MR画像と3次元モデル(骨,関節軟骨)            脛骨関節面上における接触状態マップの例


研究発表(口頭発表、論文)

1)金田拓也,林豊彦,渡邉聡,古賀良生,大森豪:荷重による下肢アライメント変化と膝関節軟骨の接触領域変化,第44回日本臨床バイオメカニクス学会,11/24-25/2017,松山市総合コミュニティセンター,松山市.抄録:第44回日本臨床バイオメカニクス学会,p.194,2017-11.
2)金田拓也,林豊彦,渡邉聡,小林公一,古賀良生,大森豪:変形性膝関節症の進行による下肢アライメント変化と膝関節軟骨の接触領域変化,第45回日本臨床バイオメカニクス学会,11/16-17/2018,秋田アトリオン,秋田市.抄録:第45回日本臨床バイオメカニクス学会,p.172,2018-11.



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